亜種のトンボを見たようだ

昨夕一時的にガラス戸を叩きつける雨が降った。
これで寝やすくなったかと思ったが、夜中に何度も暑さを感じて目が覚めた。
その度に夢を見ている状態なのでとても疲れが残ってしまう。
体は怠いし目を開けていても現実が見えていないような感じがする。
こんな体調に反して今朝のベランダは少し涼しい風が吹いて爽やかでさえあった。
日中はまた猛暑になるとは信じ難いくらいに。

矛盾を纏い寝惚けたまま草取りをしているとトンボが1匹やって来た。
ベランダに卵を産み付けているように低く飛びまわっている。
床の色がグレーだからトンボには水面と映っていたのかも知れない。
そのトンボが手の届くところまで飛んで来て、瞬時に観察した。
大きさを見ると直感的にムギワラトンボかと考えた。ところが尾が全体に赤い。
ならば赤トンボ、かというと明らかに一回り大きくてムギワラトンボの類いだ。
亜種なのか、恐らく初めて目にする。いや、初めてではない。

先日同じ形態のトンボが来て同様の飛び方をして去って行った。
同一のトンボなのか定かではないが、間隔をあけてトンボが再び戻って来るとも考えにくい。
かつてベランダの花菖蒲池でトンボの羽化をずっと見つめていたことがあった。
そのとき生まれたトンボはムギワラトンボだった。指先で大きな目玉をクリッと動かした。
7月末日、何故だか幻のトンボを見ていたような感覚になる。