後期高齢者の仲間入りだ。
Family Martでパンと珈琲を買って、かえる公園でモーニングを食べる。
快晴、五月晴れ。
空気はひんやりしているけれども風は木々の先端を揺らす程度。
日当たりのベンチは快適だ。
「アルコールの滲みてない誕生日を迎えるのは何十何年ぶりだろう。」
朔太郎の月が出て、
チャイコフスキーのピアノコンチェルトが流れている。
露に濡れた芝生の上を素早く影が通り抜けた。去っていくカラス。
カメラの液晶にはハレーションが起きる。
真っ青な空を静かに滑っていく白い機体が一瞬だけ輝いた。
気がつけばカレーパンの衣がぽろぽろ膝に落ちている。
どれだけ力まずに立ち上がれるか、そんな時が来た。