金子光晴、草野心平 「エリモ岬」(草野心平) カスペ型の道南端。の断崖。更に飛火模様に。ごつい岩丈な巌巌いわいわがつづき。ぐるりは泡波のあぶく。Pacific 押しよせ。エリモ押しかえし。ここらあたり実に。... 2021.01.12 金子光晴、草野心平
金子光晴、草野心平 「雲雀〔ひばり〕」(草野心平) げんげ田のむらさきから。とびたつ雲雀。むらさきのじゅうたんに。とびおりる雲雀。麦畑の槍やりの穂のなかから。とびたつ雲雀。槍の穂の穂波のなかに。とびおりる雲雀。太... 2021.01.10 金子光晴、草野心平
金子光晴、草野心平 「おっとせい」(金子光晴) 一そのいきの臭えこと。くちからむんと蒸れる、そのせなかがぬれて、はか穴のふちのやうにぬらぬらしてること。虚無ニヒルをおぼえるほどいやらしい、おゝ、憂愁よ。そのか... 2020.11.10 金子光晴、草野心平
金子光晴、草野心平 「洗面器」(金子光晴) (僕は長年のあひだ、洗面器といふうつはは、僕たちが顔や手を洗ふのに湯、水を入れるものとばかり思つてゐた。ところが、爪哇ジャワ人たちは、それに羊カンピンや、魚イカ... 2020.11.03 金子光晴、草野心平
金子光晴、草野心平 「古靴店」(金子光晴) 赤、青、黄の強い原色の郷愁ノスタルジヤ……濡れた燕がツイツイと走る五月の雨空、狭い港町の、ペンキの板いた囲がこひした貧しい古靴店がある。店一ぱい、軒先にも、店に... 2020.11.02 金子光晴、草野心平