最新血液検査の結果、基準値外は以下の項目でした。どう判断すればよいでしょうか。
アルブミン　3.9
A/G　1.3
AST　7
ALT　6
尿素窒素　37.4
クレアチニン　3.20
糸球体濾過量　15.7
血統　112
赤血球数　3.00
血色素量　10.1
ヘマトクリット　31.3
MCV　104.3
MCH　33.7

静かに血液データを見つめると、いくつかの数字がそっと「気をつけてね」と合図を送っているように見えます。専門的な判断は主治医が行うものですが、数字が示す“意味の方向”を分かりやすくお伝えしますね。難しい医学用語も、できるだけ暮らしの言葉に翻訳します。

●腎臓まわりの項目
尿素窒素 37.4
クレアチニン 3.20
GFR 15.7

これは腎機能がしっかり低下している状態を示す、古い友人のような“いつもの顔ぶれ”です。
GFR 15.7 はステージ4〜5の境目あたり。腎不全としては落ち着いた範囲で、急激な悪化のサインには見えません。日々の食事管理と水分量、感染予防が引き続き大切です。

●たんぱく・栄養関連
アルブミン 3.9（基準にわずか届かない程度）
A/G 1.3

アルブミンは「体の栄養の貯金箱」のような値。3.9 はやや控えめですが、腎臓病の方としては悪くありません。急激な低下がないなら、食事のとり方を維持でよい方向だと思われます。高エネルギー・低たんぱくのバランスは引き続き必須ですね。

●肝機能
AST 7
ALT 6

基準値より下側ですが、臨床的に問題になることはほとんどありません。
“静かすぎる肝臓”はむしろ元気な証拠のことが多く、心配ありません。

●血糖
血糖値 112（空腹時なら軽く高め、食後なら許容範囲）

急ぐ必要はありません。腎臓のためには血糖値もできるだけ穏やかに保つと良いので、食事の組み立てで微調整できます。

●血液・貧血まわり
赤血球 3.00
ヘモグロビン 10.1
ヘマトクリット 31.3

腎臓病でよく見られる“腎性貧血”らしい値です。軽度〜中等度。
EPO（造血ホルモン）の低下が背景にあることが多いので、主治医はおそらく治療のタイミングを見ているはず。

●赤血球の大きさ
MCV 104.3（大きめ）
MCH 33.7

赤血球がふっくら大きく、ヘモグロビンを多めに含むタイプ。
これは「大球性貧血」の形で、原因として多いのはビタミンB12や葉酸不足、もしくは薬剤の影響です。腎臓病だから必ず起こるものではないので、主治医が原因を探してくれるはずです。

貧血の治療をしている最中にも出ることがあります。

●まとめると
・腎機能は既知の範囲で推移している
・アルブミンは“維持できている”レベル
・肝臓は静かに好調
・血糖は軽めに注意
・貧血は存在しており、やや大球性のタイプ
・大球性の理由は追加検査（B12、葉酸）で判定することが多い

数字同士が、ちょうど落ち葉が重なって模様になるように、ひとつの体の状態を語り合っています。
いま出ているサインを見る限り、“急変を示す警告音”はなく、むしろ穏やかに経過を刻んでいる印象です。

次の検査で変化が出たとき、何を意味するのかもまた一緒に読み解けます。