「蒼白な紀行」第一節 (村野四郎)

  野ざらしをこころに風の泌む身かな 芭蕉

永遠に立ちむかうには
ふるさとを背後にして
果しなく遠く
出でたつことしかなかった

スイカズラのからんだ
生垣にそうて
革命軍が絶減された村の
やぶかげを抜けると
道は さらにとおく
人々が谷とよぶ
崩壊した地形の彼方につづいていた