p. 金子光晴、草野心平

「古靴店」(金子光晴)

赤、青、黄の強い原色の郷愁ノスタルジヤ……濡れた燕がツイツイ

「洗面器」(金子光晴)

(僕は長年のあひだ、洗面器といふうつはは、僕たちが顔や手を洗

「おっとせい」(金子光晴)

    一 そのいきの臭えこと。くちからむんと蒸れる、 その

「雲雀〔ひばり〕」(草野心平)

げんげ田のむらさきから。とびたつ雲雀。むらさきのじゅうたんに

「エリモ岬」(草野心平)

カスペ型の道南端。の断崖。 更に飛火模様に。ごつい岩丈な巌巌

「くらげの唄」(金子光晴)

ゆられ、ゆられもまれもまれてそのうちに、僕はこんなに透きとほ

「秋の夜の会話」(草野心平)

さむいね。ああさむいね。虫がないてるね。ああ虫がないてるね。