金子光晴、草野心平 「雲雀〔ひばり〕」(草野心平) 2021年1月10日 ken2s げんげ田のむらさきから。とびたつ雲雀。むらさきのじゅうたんに。とびおりる雲雀。麦畑の槍やりの穂のなかから。とびたつ雲雀。槍の穂の穂波のなかに。とびおりる雲雀。 太陽は天のまんなか。その天をかけめぐる。五つのピッコロ。ひばりひばり雲の雀すずめ。 菜種畑の黄色から。とびたつ雲雀。黄色い炎にとびおりる雲雀。そしてまた。げんげ田のむらさきから。とびたつ雲雀。 「古靴店」(金子光晴) 「洗面器」(金子光晴) 「おっとせい」(金子光晴) 「エリモ岬」(草野心平) 「くらげの唄」(金子光晴) 「秋の夜の会話」(草野心平)