芭蕉「おくのほそ道」曾良本より(3)

しづかさや岩にしみいるせみの声

さみだれをあつめて早しがみ

有難ありがたや雪をかほらすみなみだに

すずしさやほのづきの羽黒山

雲のみね幾つくづれて月の山

語られぬ殿どのにぬらすたもとかな

湯殿山ぜにふむ道のなみだかな (曾良)

あつみ山や吹浦ふくうらかけて夕すゞみ

暑き日を海に入たりがみ

象泻きさがたや雨に西せいがねぶの花

汐越しほこしつるはぎぬれて海涼し

象泻や料理何くふ神祭 (曾良)

波こえぬちぎりありてやみさごの巣 (曾良)

文月ふみづきや六日も常の夜にハ似ず

荒海あらうみ佐渡さどによこたふあまのがは

一家ひとつやに遊女もたりはぎと月