詩句(3)

  • 「嵯峨野抄」 (金井 直)
     紙王寺 一人の旅人が求めるものは 幾夜さのあめかぜに 余分のものを削りとられたのちの形が …
  • 「くらげの唄」(金子光晴)
    ゆられ、ゆられ もまれもまれて そのうちに、僕は こんなに透きとほってきた。 だが、ゆられるのはらくなことではないよ。 …
  • 天使 (田村隆一)
    ひとつの沈黙がうまれるのは われわれの頭上で 天使が「時」をさえぎるからだ 二十時三十分青森発 北斗三等寝台車 …
  • 叫び (田村隆一)
    黒いものが見える それがあなたに見えないなら そして もし世界が小量の毒でしかなかったなら …
  • Nu (田村隆一)
    窓のない部屋があるように 心の世界には部屋のない窓がある   蜜蜂の翅音   ひき裂かれる物と心の皮膚 …
  • 幻を見る人 **** (田村隆一)
    ひとつの声がおわった 夜明けの 鳥龍のなかでそれをきいたとき その声がなにを求めているものか わたしには分らなかった …
  • 幻を見る人 *** (田村隆一)
    空は われわれの時代の漂流物でいっぱいだ 一羽の小鳥でさえ 暗黒の巣にかえってゆくためには …
  • 幻を見る人 ** (田村隆一)
    はじめ わたしはちいさな窓から見ていた 四時半 犬が走り過ぎた ひややかな情熱がそれを追った   (どこから犬はきたか …
  • 幻を見る人 * (田村隆一)
    空から小鳥が墜ちてくる 誰もいない所で射殺された一羽の小鳥のために 野はある 窓から叫びが聴えてくる …